フランス料理と愉しむ夜のツツジ庭園Azalée
慎ましさと奥ゆかしさを備えた和風庭園
香川県坂出市にあるフレンチコース料理を提供する料理店 Azalée(アザレ)の庭。
国登録有形文化財の近代和風建築を利用した店舗は、ツツジが美しい和風庭園に面しています。
オーナーのオーダーは「夜もコース料理と一緒に庭を愉しめる灯りが欲しい」
花や葉を愛でるツツジを主として構成された和風庭園は、下から照らす通常のライトアップでは美しさが伝わりません。
また和風庭園ならではの、慎ましさと奥ゆかしさを備えたものでもありたいので、照明が明る過ぎてもなりません。
ある程度の計画ができた時点で、
事前に照度や色温度を変えられるテスト用の照明器具を持ち込んだ実験を通して、
客席からは目に入らない位置に照明設置用のポールを2箇所設置し、
木々の真下からのライトアップとポール照明を用いた上からの照明を組み合わせることにしました。
事前テストで器具を配置する位置や高さ、室内からの見え方を含めた明るさ、葉と幹のそれぞれにあった演出のできる色温度を丁寧に検討して
最終的な照明器具の選定や特注の照明ポールを制作して設置しています。
アンティーク照明の再生
玄関に当初取り付けられていましたが、いつかの頃に壊れてしまい取り外されていたブラケット式の照明器具を再生しました。
割れてしまったガラスシェードを新しく作りなおして、LED電球を取り付けられるように少し改造しました。
再びブラケットライトの温かい明かりが灯った玄関は、凛として美しい佇まいになりました。
アプローチを演出するアーティスト 山口一郎による壁画
庭園照明のリデザインにあわせて、駐車場から門までのアプローチ空間についても手がけています。
見えがくれする日本建築らしい屋敷構成をしていますが、門の存在がわかりづらくアプローチとしての正面性を欠いている課題がありました。
今回はアプローチのスロープのアイストップの位置にある塀に、坂出市在住のアーティスト 山口一郎さんに壁画制作を依頼。
豊かな植栽環境の敷地からインスピレーションを受けた「木の葉と枝」をモチーフにした壁画が、門までお客様を誘います。
OUTLINE
PJ title | Azalée |
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Place | 香川県坂出市 |
Building type | 和風庭園 |
Complete | 2021.03 |
Director | 平宅正人 |
Designer | 平宅正人 |
Construction | しわく堂 |
Photo | 藤岡優 |