私たち夫婦の対話篇dialogue
夫婦の「対話篇」を紡ぐ
「嫁さんのしたいコトが僕のしたいコトなんです」
仲が良く笑顔が印象的な横山さん家族。
暮らしの場づくりを考え始めてから、ここまで何度も繰り返し旦那さんが私たちに伝えた印象的な言葉。
奥さんは私たちに具体的な暮らし方や住まいぶりを伝えつつも、旦那さんと一緒にどうするか楽しみながら悩み抜いてきました。
「夫婦が暮らしについて紡いだ対話篇」のような住まい。
お互いを尊重し、気遣いながら、これから未来の暮らしについて語り合い、
完成するまで、素材や仕上がり、暮らしかた、子育ての方針、その全てをひとつひとつを丁寧に決めていきました。
シンプルで美しいもの。
外観はシンプルでシャープなデザインにしたいと望んでいた横山さん夫妻のために、
勾配の強い切妻屋根の上に大きな窓が穿たれたシンプルなかたちにまとめ、段状のエッジがシャープな印象を与えるチャコールグレーのガルバリウム鋼板で覆いました。
玄関の庇、ポーチの壁の鋼板と漆喰の取り合いディティールも徹底的にシンプルに、一つ一つの部分を丁寧に納めています。
パーキングスペースのペーブデザインはタイルパターンに打ち分けた土間コンクリート。コンクリート表面はしっとりとした雰囲気のカラーコンクリートステインを塗布して、目地に人工芝をご夫妻で敷きこみました。
エントランスまわりを演出するスクエアな門塀は職人さんの絶妙な塗りムラが特徴の水墨仕上げで、硬質な印象の外観と対照的。
オンとオフ。暮らしが連なる2つのリビング
友人が多く、趣味も多彩な愛煙家の旦那さん。家族にストレスをかけずに気兼ねなく友人を招きやすくするために、「オンとオフ」を使い分けられる2タイプのリビングをつくりました。
暮らしの中心となる「ファミリーリビング」
奥さん好みのエリソンナチュラルな世界観で、大きな気積で家族を包みこむ大らかなアトリエのような場所に。25.6畳とゆったりとしたサイズ感の広さのリビングの天井高さは最も低いところで2.96mもあり、白をベースとしたインテリアにウッドとグレー系のタイルや壁がインテリアを彩ります。
アイランドキッチンとバックキャビネットはオリジナルで制作。これまでの暮らしを振り返りながら、キッチン用品の置く場所や必要なサイズ、水栓や食洗機、IH、取手、、、と器具やマテリアルを一つ一つ吟味していきました。
キッチンワークトップとシンクはアクリル系人工大理石。
キッチンキャビネットは掃除しやすく清潔な印象のあるホワイト系の化粧合板。ダイニング側はエイジングしたマットなウレタン塗装を施した明るめの無垢化粧材の腰壁を手元を隠すようにL型に巡らせています。
旦那さんのFun Base 「土間リビング」
仲間と集い遊びあかすための秘密基地のような「土間リビング」は旦那さんの好みをつめこんだハードな仕上がりに。
壁は無塗装のOSBボードとムラが美しい左官材の水墨仕上げ。土間はブラック系のコンクリートステインで着色しています。
勾配天井は黒染色したOSBボードに。夜な夜な友人を招いて楽しむ様子が浮かびます。
玄関をあけるとニッチに飾られた人形と花がお出迎え。
正面にオリジナルで制作したガラス建具の奥にリビングがみえます。
蹴込をウォームグレーにした上品な印象の階段。手すりは手に馴染む優しい面取りをしたガムオーク材。
主寝室には大きな窓。晴れた日には琴引山と琴引八幡宮本殿が臨めます。
OUTLINE
PJ title | dialogue |
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Place | 香川県観音寺市 |
Building type | 個人邸 | 木造2階建 | 延床面積 121.89㎡ |
Complete | 2021.3 |
Director | 平宅正人 |
Designer | 平宅正人 |
Construction | 彩工舎 |
Photo | 藤岡優 |