古民家を愛し、我が子のように手を掛ける古育庵
セルフリノベで古民家暮らし。
DIY経験豊富な髙木さんご夫婦による古民家リノベーション。職人さんたちによる工事は下地を作るところまでの最低限にとどめ、最後の繕いは全てご夫婦による手作業。完成したお家ではなく、子育てのように愛情を注ぎ、向き合い、手を掛け続けるお家。
髙木さん家族は、ご夫婦と1歳の長女の3人家族。
購入された古民家は、三豊市の七宝山の麓、幹線道路からは少し離れた古民家の立ち並ぶ一角にある平屋。
築年数の違う3つの平屋が中庭を囲うように連なっています。
迷った時は「まずやってみる」
まずご夫婦と話し合ったのは、DIYの範囲をどうするか。
これはやってみようかな、本当にできるかな、これは自分達でやりたい、
と何度も話し合いを進めて至った結論は「まずはやってみる。」
工具の使い方、材料選びのレクチャーなど、DIYサポートをしつつ、全ての仕上げ作業はご夫婦の手で行う事になりました。
平日はお仕事、休日には現場でお家づくり。
ご夫婦の熱意には、現場で働く職人さんも驚くほど。
DIYだからって妥協はしない
DIYといっても、生活をする上での快適性は大事。
和室の畳敷きを無垢フローリングに貼り替える際にはしっかりと断熱材を施工しました。
古民家の弱点でもある、冬場の底冷え対策になります。
適材適所の材料選び
DIYでまず立ちはだかるのが材料選び。
どんな材料を使えばいいのか、どこで買えるのか、どれだけ買えばいいのか。
髙木さんのお家の壁と天井には天然素材の漆喰ペイントを採用。現場で材料を練り混ぜる必要がなく、フタを開ければすぐに施工可能で、DIYにはピッタリ。
インターネットで購入可能な材料から選び、手直しや塗替えの際にもご自身での注文が可能。DIYで心掛けることは、いかに手軽に作業ができるか。難しくて大変な作業ばかりでは飽きてしまいます。
漆喰の落ち着いた風合いが、既存の梁や柱を引き立ててくれます。
アクセントには「大好き」がいっぱい
「それぞれの部屋のどこかには私の大好きな緑を使いたいんです。」
キッチンやトイレ、寝室のアクセントには奥さんの大好きな緑を基調としたタイルや壁紙を選びました。
大好きな色に包まれた生活は毎日を華やかに彩ってくれます。
自分で作れるっていいね。
髙木家のキッチンには扉や引き出しがありません。
木製のオープンキッチンは、必要なものがワンアクションで取り出すことができて、とても便利。
今後は使い勝手に合わせて棚を増やしたり、扉を付けたり、カスタム自由なキッチンは、DIYの得意な髙木さんだからこそできた、フレキシブルキッチンです。
これからの変化が気になります。
まだまだ未完成で、完成のないお家。
こどもが成長するように、お家も一緒に成長していくことでしょう。
5年後、10年後の変化が待ち遠しいお家が生まれました。
OUTLINE
PJ title | 古育庵 |
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Place | 香川県三豊市 |
Building type | 個人邸 | 木造平屋建 | 延床面積 104.6㎡ |
Complete | 2022.3 |
Director | 関大樹 |
Designer | 入谷洋平 |
Construction | しわく堂 |
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