日日、暮らしの気配に浸りてripples
観音寺市の港通りより少し入った住宅エリアにお住まいの合田さん。
子ども達も巣立ち、ご夫婦でゆったりと過ごせる終の棲家としてのお家をご希望されました。
空地だった隣地を買い足し、将来的に車椅子になることも考えバリアフリーとし、最後まで快適に自分たちらしく、自立して暮らせるような住まいとして建替えをされることに。今もこれからも心地よく暮らしていける住まい方を提案しました。
港町にあることにより、浸水対策として床の高さを道路面より1m上げて設計、津波時も安心です。将来的には、車椅子用の昇降機をつけることも想定した配置としました。
軒の深いポーチは、雨天の時も慌てずに出入りが出来、ご近所の方との立ち話も楽しめます。
互いの振る舞いと共に過ごす
葉擦れの音、暮れなずむ空の色、夕餉の香り・・・。
「どこにいても何となく互いの気配が伝わる家にしたい」という仲の良いご夫婦。
会話をせずとも本の頁を捲る音や珈琲の香りで、お互いの気配を感じ孤独感を感じさせないような間取りとしました。
今後とも空模様も喧騒も夫婦で分かち合い、お二人の時間を大切に過ごしていただける空間です。
将来的に車椅子となることも想定
帰省した子供や孫と団欒を楽しむ広いLDKという機能だけでなく、全ての動線を回遊できるようにし足腰が不自由になっても心地よく暮らせるように通路や出入り口の幅を考慮、車椅子出入の最小寸法の750㎜以上を確保しています。
大黒柱は、回遊する位置にあることにより、移動の際に手摺替わりにもなります。角を削ったことにより存在感を感じつつも優しい印象を与えてくれます。
思い出の品や買い置きがたっぷり収納できるスペース
キッチンの手元を隠しつつ、ダイニング側は絵や写真を飾れるように。
ダイニングに座ったままで、サッと必要な物が取り出せるように引き出しや扉を付けました。
キッチンやダイニングの収納は北欧家具でも使用されるサスティナブルな素材のリノリウム。
天然素材から作られるとてもナチュラルな建材で、優しい手触りと色合いがご夫婦の印象にもピッタリです。
パントリーやユーティリティもあり、買い置きや普段使用しないものの置き場もたっぷり確保することで、居住スペースはいつもスッキリした印象になります。
それぞれの趣味を存分に愉しむ
珈琲、裁縫、料理、園芸など多趣味なお二人。多くの趣味の道具や本等を置くスペースをTV置き場を兼ねて造作しました。高さはありますが、オープンスペースやマガジンラックで圧迫感を感じさせません。
造作のキッチンや収納は、お手持ちの物のサイズや購入される予定の物のサイズをお伺いし、使い方や収納場所を共に検討、オリジナルで使いやすい家具を設計していきます。
非日常を日常に。
一日どの時間に入っても気持ちの良い浴室、ホテルライクなゆったりとした洗面スペース。
浴室と洗面をクリアに仕切ることにより一体感が生まれ、開放的で心も身体も存分に癒されます。
手洗いカウンターは、車椅子でも近づけるようにオープンに、洗面道具等を収納するキャビネットもカウンターのサイドに取付けることによりユニバーサルな位置としました。
OUTLINE
PJ title | ripples |
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Place | 香川県観音寺市 |
Building type | 個人邸 | 木造二階建 |105.23㎡ |
Complete | 2023.05 |
Director | 平宅 正人 |
Designer | 平宅 正人、波多江 千賀 |
Construction | 彩工舎 |
Photo | 合同会社Fizm(藤岡 優) |