研究熱心な女子部屋に。ReBORN Apartment Project #01 Quest Hut
3DK、45㎡の築27年。アパートが建つ三木町は、おだやかな空が広がり田園風景が残るおだやかな町。飲食店やスーパー、衣料品店など日常生活に必要な機能と、保育所・幼稚園から小中高校、大学がコンパクトに集約した町なので、暮らしに不便することがありません。高松市と隣接し、都会までのアクセスが良く、田舎暮らしのおだやかさと、すぐに都会に出れる便利さを兼ねそろえた人気のエリアです。
しかしながら、建物の築年数と間取りの使いにくさから、入居率が減少傾向に。そこで、入居者のターゲットを絞り、入居者のニーズに合った間取りの提案、リノベーションしました。
ファミリー向けから学生向け賃貸へ
「空いている部屋をリフォームして綺麗にし、入居者を増やしていきたい」と相談を頂き、まずは空室が増えてきている原因探しからスタート。ファミリー向けにつくられた、3DKの間取りは細かく壁と扉で仕切られており、ダイニングキッチンも4.5畳ほど。ファミリーで暮らすには広さに物足りなさがありました。
そこで、単身者、特に近隣に国立大学があることから、学生向けへとターゲットをしぼることに。部屋の間取りを、3DKの部屋から1LDKの部屋へ部屋数を減らしました。一番広くて6畳だった部屋が、15畳の広々としたLDKの空間に。部屋を仕切っていた壁も取り除くことで、部屋全体に光と風が届き明るい印象になりました。
大きな勉強机が中心の研究熱心な女子部屋
今回は大学に通う女性をターゲットに設定。近隣に通う学生の多くは、研究をメインとし、授業外での学習ではパソコン2台並べての作業が日常。そこで、幅が長いゆったりとした勉強机のある、研究熱心な女子部屋をコンセプトにデザインしました。
部屋の中央にあった押入れの広さを活かし、勉強部屋として活用することに。工事中に大家さんから頂いた無垢板のベンチを、押入れに納まるよう調整し、天板として利用。押入れにあった枕棚は、本や教材を収納する棚として使用することに。幅1.8m奥行き70cmの机では、パソコンを2台並べても十分にノートを広げて作業出来ます。
懐かしさのある押入れの趣を残しつつ、広いリビングのなかでも篭り感のある空間に。壁紙には部屋のアクセントに、集中力を高めるアイアンブルーのモルタル調の壁紙を使用。より一層作業がはかどります。
部屋全体の壁と天井は、明るい印象の白を基調とし、東側の一番面積の広い壁には淡い青緑の壁紙を採用。床には、ほんのり赤みの入った西南桜の無垢フローリングが敷き詰められています。
水廻りは一手間加えてイメージアップ
水廻りは清潔感が気になるところ。キッチンやお風呂を取り替えなくとも、ポイントを押さえて綺麗にするだけで印象が一変します。
キッチンは扉の面材の貼り替えと、木の取っ手に付け替えを。清潔感あふれるかわいらしい印象になりました。
見た目だけでなく、機能も大事。幅1.5mのキッチンは、シンクとコンロ、作業スペースにまな板を置くだけで一杯一杯に。いざ料理をするにも、合間で洗った食器の乾かすスペースやお皿に盛り付けをするスペースが足りなくなることも。そこで、ワゴン式作業台をプラス。作業台として使用出来るのはもちろん、作業台の下には収納スペースが。ワゴン式なので、使わないときは壁際に寄せ、空間を広くしたり、立食用ダイニングテーブルとして使用したり、入居者のスタイルに合わせてフレキシブルに活用出来ます。
お風呂はシャワーヘッドを交換。良く手が触れるからこそ、使い込んだシャワーヘッドを新しくするだけで清潔な印象になります。
洗面ボウルがバスルームにあるため、床の濡れた湿気のある部屋で朝の支度をすることに。そこで、脱衣室を広く取り、造作で独立した洗面台と照明付きミラーを設置。朝のストレスを無くします。また、ダイニングから丸見えだった脱衣室は、ロールカーテンで仕切ることで、窓からの視線や部屋からの視線を遮るので、気兼ねなく友人をお泊まりに招待出来ます。女性が気になるところを一手間加えることで、細かくカバーしていきました。
OUTLINE
PJ title | ReBORN Apartment Project #01 Quest Hut ( 探求小屋 ) |
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Place | 香川県木田郡三木町 |
Building type | 賃貸アパート | 軽量鉄骨造 | 対象面積45㎡ |
Complete | 2022.01 |
Director | 入谷 洋平 |
Designer | 入谷 洋平 |
Construction | 筒井工業 |
Photo | 入谷 洋平 |